近年、住宅建築において長期優良住宅が注目されています。機能性に優れており、快適さと安全性が魅力です。こだわりをもって建てた住宅を大切に維持出来ます。住宅は人生で一番大きな買い物となりますが、後悔しない暮らしになるでしょう。ここでは、注文住宅を長期優良住宅にするメリットを解説します。住宅購入を検討している方に必見です。
長期優良住宅の定義とは?
長期優良住宅は国が定めた基準をクリアし、長期の快適さと安全性が証明された家です。ここでは7点の具体的な認定ポイントを解説します。
耐震性
数百年に一度発生する震度6~7の地震に耐久し、損傷しても再度住めるクオリティーが必要です。耐震を数値化した耐震等級は3段階ありますが、2以上が条件になります。具体的には、災害時の避難場所に指定される施設と同等の作りです。倒壊しない頑丈さが求められます。
省エネルギー性
住宅全体を断熱し、1年中空調を安定させる作りが必要です。エアコンなどを過剰に使用せず、省エネルギーを意識します。具体的には省エネルギー対策等級4以上が条件です。省エネルギー対策等級は、省エネルギーへの対策レベルを数値化しています。主に、断熱と消費エネルギーが評価基準です。
居住環境
地域の規定に従い、良好な景観を維持することが必要です。街並みに調和させ、将来的にも配慮をしなければなりません。
維持保全計画
建築時に、定期点検の計画を立てる必要があります。点検すべき箇所は、主要部の耐力や浸水防止性能、給水・排水設備です。最低、10年に1度の点検を行います。また、地震や台風などの災害時も点検が必要です。
維持管理・更新の容易性
耐年数が短い内装や設備は、簡単に修繕出来る状態が条件です。故障や経年劣化など、必要に応じて対処します。長期に渡り、維持管理しやすいことが重要です。
劣化対策
住宅の骨組みである構造躯体が長持ちし、数世代で住めることが求められます。具体的には劣化対策等級3クラスが必要です。3世代、75年~90年住める住宅とされます。また、床下空間は330mm以上が必要です。床下点検しやすいスペースを確保します。
住戸面積
戸建ては面積が決められており、75平米以上が必要です。窮屈すぎては快適な暮らしが出来ないので、1フロア床面積40平米以上にしましょう。地域によって若干狭くても可能ですが、下限は55平米です。
長期優良住宅の申請を行うメリット
長期優良住宅は厳しい基準をクリアしなければなりません。そのため、申請すべきか迷うこともあるでしょう。そこで、認定された場合のメリットを紹介します。金銭的なメリットが発生するので申請を検討しましょう。
所得税
長期優良住宅は最大13年間、455万円の所得税控除が受けられます。毎年の控除額は、住宅ローンの残高に対して0.7%です。住宅ローンには限度額があり、5,000万円までが対象になります。
一般住宅であれば、所得控除は273万円になるので大きな節税です。また、住宅ローン名義人の所得が2,000万円以下で、返済期間は10年以上が条件になります。
不動産取得税
住宅購入をする際、必ず不動産取得税が発生します。そこで、長期優良住宅は都道府県に申告することで、控除の増額が可能です。一般住宅であれば、1,200万円が控除額とされますが、長期優良住宅は1,300万円になります。不動産取得税の節税にも、とても有効です。
登録免許税
新築住宅には所有権保存登記が必要です。その際、登録免許税が発生します。通常の税率は、不動産価格に0.4%をかけた額です。しかし、減税措置があり一般住宅の税率は、価格の0.15%になります。そして、長期優良住宅であれば、価格の0.1%の税率となり得です。
固定資産税
床面積50平米以上280平米以下の長期優良住宅は、固定資産税の節税が可能です。一般住宅には、3年間半額になる減税措置があります。しかし、長期優良住宅は、5年間半額減税の対象です。追加で2年も多く措置を受けられるので、大きな節税になります。
低金利の住宅ローンが叶う
審査に通りやすいとされるローンに『フラット35』があります。固定金利のため、借入時から金利が変わらないことが特徴です。また『フラット35 S』と呼ばれる、長期優良住宅むけのローンもあります。一定期間、金利が下がることがメリットです。住宅性能によって期間は異なりますが、5年~10年間は低金利が適応されます。
長期優良住宅の申請を行う注意点
金銭的メリットが多い長期優良住宅ですが、申請にあたり注意点があります。場合によっては、デメリットと感じることもあるので慎重な判断が必要です。
申請の手間がかかる
長期優良住宅は、施工前に建築会社に申請が必要です。手続きは定められた手順で進めるため、時間がかかります。また、知識や実績がある建築会社を探しましょう。
複雑な手続きのため、安心して任せられることが重要です。そして、申請にあたり手数料が発生します。状況によって金額が異なるので、きちんと検討しましょう。
点検の手間がかかる
建築時に計画が立てられているので、完成後10年以内に必ず点検を行います。その後も、30年以上は点検や修繕が必要です。さらに、点検の記録を保存しなければなりません。安全かつ美しい状態の維持に手間がかかります。
費用がかかる
認定されるにあたり、手数料が5~6万円程度発生します。また、長期優良住宅に必要とされる、耐震・断熱性能は高額です。一般住宅の1.3倍程度とされるので、予算に余裕を持って計画すべきでしょう。
まとめ
長期優良住宅は、将来的なメリットが多々あります。家族を守るための安心感や、金銭的な余裕が生まれるでしょう。しかし、現状を踏まえることも重要です。先々のライフプランや貯蓄を考えて慎重に決めましょう。また、名古屋市は地域によって大幅に土地相場が変わります。名古屋駅がある中村区は高額になるので、比較的手頃な中川区や港区を選ぶと良いでしょう。工夫次第で長期優良住宅は得られるので、建築会社に相談することがおすすめです。